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まずい寿司屋に金を落とす。

最近、親友と近所の寿司屋に入った。

店の奥行きは深く、カウンターに10人、テーブルが4つ、座敷が2つある。なかなかの広さだ。
客は、カウンターに3人ほど。とり貝を肴に飲んでいた。
ビールを飲んで待っていると、特上を勧める大将。
ぼくらは、1人前づつ頼んだ。

赤身、イカ、はまち、こはだ、ホタテ、などが続く。僕と友人は、黙々と食べるだけ。。。
トロは、筋っぽく酸化しかかっていて微妙な中トロ。。。
食べ終わると、

「おし!出よう!」

となった。
勘定の前に、厠へ行った。奥に向かい、途中座敷が目に入った。
電気は消えていて暗く、イスや机が置いてある。
当時バブルの頃は賑わったのかもしれないが、今では物置の様になっていた。
戻ると、大将がほかのお客と話していた。

「寿司は心だ。。。」

大将が洩らした。
とても哀愁漂う職人の姿だった。

店を出ると、

「あの特上は、ないよな~。」

と洩らす僕ら。

僕らは、この深夜サウナに行った。
身体を蒸しあげ水風呂につかる。

「うい~~。。」

再び、中に入ると泥酔するように、うなだれているオヤジがいる。

「ん?」

よくよく見ると、さっきの大将だった。

「やあ、さっきの兄ちゃんたちか~。」

「また来てくれよなぁ。。。」

弱弱しい声で言うと猫背な背中を見せ、出ていった。

良いネタが仕入れられれば、腕もふるえるだろう。
しかし、昨日今日まで盛況だった店ではない。ここ何年かこの調子なのだろう。
時代の流行で、回転寿司が強い今、場末の寿司屋は厳しい状況に置かれている。
どうにもならない毎日の中で握る寿司。

「寿司は心だ。」

と洩らした言葉が蘇った、漢の背中だった。
学ばせてもらった。。。


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