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最後の夜 (小さな築地)

31日、僕は遅くなってしまったが、なんとか親父さんに挨拶がしたくて、お店に立ち寄った。
すでに、準備中の看板が出ていた。
恐る恐る暖簾をくぐると、親父さんが笑顔で迎えてくれた。

「おそくなってすみません。なんとか最後に挨拶だけでもしたくて。。。」

「まあ~一杯飲んでいきな~!!」

と生とイカの沖漬けをだしてくれた。
もう、お客もほとんど帰ってしまい、祭りの後の出店のようなまったり感が辺りを包んでいた。
店員さん同士も

「あ~、本当におわっちゃうのか~。。」

と寂しげであり、やり遂げた様な笑顔を浮かべていた。

最後に残った客も、帰るに帰りたくない寂しさを漂わせながら、重い腰をあげ、親父さんに話しかけて帰っていく。
親父さんは、来てくれて本当にありがとう。という表情をにじませながら客を見送る。

漢がなにかをやり遂げたという縮図が、親父さんの表情に表れている。
かっこいい。本当にかっこいい漢の姿だ。

親父さんの最後に残した

「寂しいけど、やり終えたことに、ほっとしてるよ。」

この言葉に、すべては集約された。


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東京(吉祥寺、三鷹)」カテゴリの記事

コメント

これは寂しいですね。店はなくなってもこの店での思い出はなくならない、と思ってもやっぱり寂しいですよね。

自分の知ってる店だったらと思うと虚心には読めませんでしたが、それでもやっぱり、ひとつの店とそれだけの感情を持てるような関係を築けたということは幸せなことなんだと思います。

このお店に乾杯、です。

投稿: 酒徒 | 2005/09/02 00:22

そうですね。
本当に寂しい限りです。
でも、今思えるのは、きのうのお客さんを思い返すと、本当にみなさん最後の時間を愉しまれていたので、見てる僕も嬉しかったのです。
きっと、親父さんも
「あ~、やってきて良かったんだな。」
と感じてるようなそんな素敵な夜でした。

投稿: 酒天童子 | 2005/09/02 01:01

閉店したんですか…とても残念です。
吉祥寺に住んでいた当時、昼の定食や夜の一杯でよく利用させて頂きました。
いけすから出してすぐにさばいた鯵の刺身、旨かったです。
魚はエンガワが一番美味いから残さず食べて、と教えてくれた店員さん。
店名通り、吉祥寺のガード下に佇む小さな築地でした。

投稿: バブバブ | 2010/02/06 06:19

吉祥寺の街にあんな感じの店が残っていてほしかったのですが、開発が絡むと難しいんでしょうね。

昨年「トロ函」ができました。
リアルな店の存続を望みます。

投稿: 酒天童子 | 2010/02/15 19:26

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