« 妙の華 チャレンジ90 | トップページ | 伊勢藤(いせとう) 神楽坂 »

坐唯杏 (ざいあん) 池袋

DSC01243


僕は、このお店に通うのを楽しみにしていた。
今日は、1月ぶりの居酒屋である。
金欠だったことと、抜いた親知らずが膿んでしまった事が重なり、今月最初の出陣と相成った。

今日が、土曜でなければ幡ヶ谷の「たまははき」にて秋刀魚のワタ漬け。すぐにでも駆け付けたかったのは、冷おろしが待っているだろう烏山の「和市」(女将さん、和市さんに会いたい。。。)
しかし、今日は、都心に出ていたため前から目をつけていた池袋の「坐唯杏」へ。

ここは、最近評判の勢いのある居酒屋である。

区役所の裏の「すきや」を目印に探していると、ありました。
一見、流行系の「本日のお勧め」ビラが貼ってある入り口を覗くと、通路は地下へと延びていた。
今の時間は、18時半。しかも今日は土曜日。
なんとか、カウンターに座れることを祈って、恐る恐る店内に入る。

店を遠めな視点で観察したり、酒やつまみの写真を撮るのには、テーブル席のほうがやりやすいが、やはりカウンターで立板や常連の仕草を観察しないことには、始まらない。
幸い、板さんの前の席に通され事なきを得た。

まずは、メニューも満足に見ないでいると、店員さんから

「そちらの赤いメニューの裏にビールなどがございます。」

という声も振り払い、「宗玄(石川)の純米」を1合もらう。
う~~ん、味わい深き1級品よ。。。

今日のお目当ては、鰹である。
坐唯杏のホームページにも載っている、今年の戻り鰹を早々と食しに来た。
今年の戻り鰹は、脂の乗りが非常に良く、絶品との謳い文句!!画像で見てもすこぶる旨そうなので、慌てて来た始末だった。なぜなら、鰹は北上してくる倍のスピードでフィリピンの方へ南下して行くからだ。
しかし、宗玄の純米の美味しさに、肴の注文も忘れ飲みに興じてしまった。

舌でま~るく転がしつつ店内の雰囲気を味わう。

そんな折、店内に響き渡る奇声。
「きゃはははは~~~っ♪」
人物は見ずとも容易に想像できるギャル声。

そして、気付けばカウンター席の後ろをけたたましく通る店員達。

このお店のカウンターは、3組板前側、もう3組は背中合わせに反対を向き、この間にあいている通路を店員が行き来するのだ。
う~~~ん。。。落ち着かん。。。

酒も旨いしこだわりもあるのだが、どこかおかしいぞこのお店。。。

まあまあ、鰹を食って落ち着こうよ!童子ちゃん。
ということで、鰹のたたきと、南魚沼の「鶴齢」の利き酒セットを頼んだ。

南魚沼の文字にまずは、目が食い入った。
去年、震災ボランティアに行った南魚沼郡であるが、とても酒どころではなかったからである。
見つけた瞬間、今日の思いを馳せるところは決まった。

そして、この利き酒セットは、純米、特別純米、大吟醸が味わえて880円と嬉しいお値段。
普通に1合飲むより断然お得である。

そして、良いタイミングで出てきた、鰹のたたき。
鰹は、身が柔らかいので食感のバランスを取るために、普通の刺身より厚く切るのだが、ここの鰹は身自体が大きい。
これを、一口で目一杯に含む。
「カリッ!!パリッ!!」
「ん~~!?」
びっくりした。皮はパリっと香ばしく、中はしっとりきめ細かい、そして溢れる脂。。。
そして気付いたのは、八切れ中、二切れに入っている細工包丁である。
板さんに聞くと、尾の身に近い部分なので味が滲み込みやすいように入れたのだそう。
むむむ。。。只者じゃないぞ。。。

それも、そのはず。
店主の武内さんは、日本屈指の土佐料理専門店 祢保希(ねぼけ)で修行された兵なのだ。

そして、鶴齢のうまさ!!
魚沼の米造りの話は、地元の農家の方からさんざん聞いていた。
うまい田んぼの土をダンプで買いに行って、自分の田んぼの土と混ぜ合わせ、試行錯誤を繰り返す。
そして、その試行錯誤の一つの答えを待つのに、1年の月日を費やしてしまう。
そんな、思いを感じると、日本酒という枠を超えた雫に感じられる。

良い具合に酔って来て、騒音も気にならなくなりもう1杯頼む。
「すいませ~ん。英(三重)を」
「すみません。英はただいま切らしてまして。。。」
しょんぼりしている僕を見かねて
「英は切らしていますが、杜氏の夫人、るみ子さんが、置いていった妙の華、精米歩合90%のものがありますが。」
「えっ!?90%ですか???低いならまだしも、こんな高いの初めてですよ。僕らの食べている米と変わらないじゃないですか~。。」
(精米歩合に関する高低の表記は、本や蔵元によってしばしば異なる)
「僕も、今回初めて見ました。どうです、お試しに。」
ということで、グラス(380円)で頂いた。

その名も「山田錦 きもと無濾過  生原酒 妙の華 チャレンジ90」

む~~~っ、切れる。辛い。旨い。
しかも、るみ子さん当人が、置いていったとは、まさに「るみ子の酒」である。
英、妙の華を造る森喜酒造場の「るみ子の酒」は、漫画「夏子の酒」に感動した、るみ子さんが作者に手紙を宛て、様々な人の支えがあって誕生したお酒である。

ということで、日本酒としては、大変満足できる店なのだが、一人で落ち着いて飲める店ではないのが、なんとも口惜しい。

これだけ、酒にも料理にもこだわりながら、客層や店員の仕草のやかましさが店の雰囲気と噛みあわなく感じるのは、僕だけであろうか。
もしくは、誰か連れと来れば、また違うのかなぁ。

酒も肴も一人でしっぽり楽しみたいものばかりなので、もう一度足を運んだうえで吟味したいと切に思う。


« 妙の華 チャレンジ90 | トップページ | 伊勢藤(いせとう) 神楽坂 »

東京(池袋、大塚)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/57415/5992020

この記事へのトラックバック一覧です: 坐唯杏 (ざいあん) 池袋:

« 妙の華 チャレンジ90 | トップページ | 伊勢藤(いせとう) 神楽坂 »