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中秋の伊勢藤 (神楽坂)

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久しぶりに背筋を伸ばして酒を飲みに来た。

初めてこの店を訪れた時は「神楽坂」の裏道をさまよいながら辿り着いたが、今となってはさっと裏道に入って行ける。この「さっ」と細い路地に入って行けるのがなんとも心地良いのだ。

そして相も変わらず素晴らしい佇まいだな~。。

暗い路地にぼんやりと灯る灯り。戸を引く前にもう一度心構えを見直せと言わんばかりの縄暖簾。
僕が知る限り東京の中で、ここまで素晴らしい佇まいの店はそんなに思い浮かばない。。

僕にここまで言わしめるのが酒飲みの間では「国宝」とまで称えられる「伊勢藤」なのである。
創業昭和12年。今は3代目のご主人が店を守る。

ご主人に一礼し一人と告げるとカウンターに促される。
お燗番のご主人と囲炉裏を囲むように座れるカウンターはわずか6席。

背筋を伸ばしつつ肩を狭めつつ上手に飲むのが伊勢藤で求められる酒品である。

まずは、おしぼりと肴が順に運ばれてくる。
ここは一汁四菜がお通しとなっており、これらを食べ終えてから追加の注文ができるのだ。

しかし、たいていの酒飲みがこの四菜で酒を飲み、最後に汁を頂いて帰るのは、これらのお通しがよほど酒と合うように造られているからだろう。

この日は次の四菜。
「煮物」「磯のり」「ほやの塩辛」「おひたし」である。

「煮物」は野菜の味がしっかりと美味しく、「磯のり」はおそらく歯ごたえに入れてある海月が愉しい。「ほやの塩辛」はまさに燗酒に最適で「おひたし」は口を休めるのに良い。

僕はこれらだけで4,5合飲んでしまうこともざらなのだが、この日は「味噌田楽」と「納豆」を追加でもらった。

「伊勢藤」で追加する人の多くはまずこの「田楽」からもらう人が多い。
それは先ほどのお通しを食べながら酒を飲んでもらえればわかるが、自然と次に欲しくなる一品なのである。

そして、この日初めて頼んだ「納豆」。
それは燗酒を飲んでいて横浜の「武蔵屋」を思い出したからである。

僕は度々燗酒を飲むと「武蔵屋」を思い出すのだ。
女将さんは元気かな。。

「伊勢藤」の「納豆」は玉子、ねぎ、青海苔が混ぜる前の状態で出される。
こういった一手間かけるのに、それが味を邪魔してないのが「伊勢藤」の肴すべてに共通する素晴らしさなのだ。

う~ん、この納豆も美味い!
しかし、どちらかと聞かれたら僕は「武蔵屋」の納豆とあの「上燗」の相性のほうが上だと思う。単純な「納豆」がこうまで僕の中で議論されるのはすごいことだよな~。。

「伊勢藤」の酒は灘の男酒「白鷹」!
店には四斗樽が置いてあるが、出されるのは樽酒ではない。

囲炉裏の真ん中に丁寧に積み上げられた炭の周りには湯が沸かされ、そこで徳利は湯燗される。客に出す前に「これでもか!」とじっくりご主人が手の平で徳利を握り、温め具合を確かめる。

ああ。。やはりここで頂く燗酒は東京一美味いなぁ。。

他にも根岸の「鍵屋」や門前仲町の「浅七」などが思い浮かぶが、やはり「伊勢藤」は別格なのである。

それはここでいくら書いても、写真を載せても伝わらないことなのだ。
ああ、素晴らしき「伊勢藤」。。

「飯田橋」駅より徒歩5分
新宿区神楽坂4-2 03-3260-6363
17:00~21:30 LO 20:30
土日、祝 定休

お通し1500円 酒500円 肴400円


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